director's voice

谷田貝陵子さん(革)

「風の音」(当日本部テントにて配布する小冊子)に寄稿いただいた作家、
続いては谷田貝陵子(やたがいりょうこ)さん。
革でバッグや小物をおひとりで制作しています。

Q
谷田貝さんは「工房からの風」に、どのような作品をお持ちくださいますか?

A
学生の頃友人へ作ったバッグ、
お客様からのオーダーで改めて気づけたその革の魅力など、
人や出来事が始まりとなり作った、バッグや小物を出品します。
10年来、素材もデザインも大好きなバッグを使っており、
それを超えて惚れ込めるものを作ることが一つの目標です。
そのタンナーの素材を今年の春にようやく手にする機会に恵まれ、
バッグやオサイフも作って持ってまいります。

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これが、そのバッグでしょうか。
谷田貝さんが愛用されたものを拝見しましたが、
実用的でとってもおしゃれなバッグでした。
使い範囲がうんと広やかな感じです。

Q
谷田貝さんにとって「工房からの風」は、どのような風でしょうか?

A
訪れる時は、季節のにおいがする風です。
出展する今年は、強い追い風、優しいそよ風と、変化しています。

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つい先日、9月の連休には「galleryらふと」で
ワークショップも開いてくださいました。
素敵な革のばね口ポーチを8名の方が制作されました。
「工房からの風」で、見かけられるかもしれませんね。

Q
谷田貝さんのお名前、あるいは工房名についての由来、
またはエピソードを教えてくださいますか?

A
10代の頃は四角ばかりの字面が好きではありませんでした。
山(谷)を下り、平地(田)を流れ、海(貝)に出る
そういうことにして、いまは好きな名前です。
循環のなかで、どうにもならない自然の動きも恩恵も受けていて、
手にしている革も、自分自身もその一部であることを出来るだけ内に留めて作っていたいです。

実は、そんな姓を受けてバリーシェルという名前で仕事をしています。
テキスト表記出来ないので表立たないのですが、
地形を象ったロゴマークも存在し、なかなか気に入っております。

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あ、これは、今年のモチーフ『レモン』で作ってくださったものでは!
日焼けさせて模様を漬けられたのかしら。

と、お名前のことでしたね。
谷田貝さんて、とても珍しい名字。
バリーシェルとは、谷田貝さんならではのブランド名ですね。

谷田貝さんがこのように大きく発表するのは初めてのこと。
ランナップもまだこれからでしょうし、
バリエーションも豊富ではないかと思います。
けれど、出来あがった作品には、
どれも今の作り手のベストの手わざとハートが込められたもの。
中途半端にかっこをつけずに、コツコツ納得できるものをお出しする、
そんなよき頑固者!が谷田貝さんの印象です。

今回の皆様からの反応が、きっとこの若い作り手を先に進ませてくれますね。
ぜひ、前向きなご意見、寄せて差し上げてください。

谷田貝さんの出展場所は、おりひめ神社の脇。
サイトはこちらになってます。
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written by sanae inagaki